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INTERVIEWインタビュー
ウルシステムズ株式会社 代表取締役社長 Shigeru Urushibara

シリコンバレーに精通するTech企業代表が聞いてきた

いまトップ・エンジニアが話題にする新テクノロジー

ウルシステムズ株式会社 代表取締役社長 Shigeru Urushibara

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最先端技術を用いた大規模システムを手がける業界のトップランナー、ウルシステムズ代表の漆原氏。ひんぱんにシリコンバレーを訪れ、現地の一流エンジニアと交流している。「カフェやバーで彼らが口にする“いまHotなテクノロジー”は、2~3年後には国内で“最先端”ともてはやされる」。そう語る同氏に、シリコンバレーで話題の5つの新技術について解説してもらった。

※下記はTech通信Vol04(2016年5月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

 国内では2015年を「NoSQL元年」と呼ぶむきもありましたが、シリコンバレーでは「次」が話題になっています。

 NoSQLが注目を集めた背景には、課題の多いRDBMSを避けようとする動きがありました。確かにRDBMSは設計もライセンス体系もオンプレミスを前提としており、性能や拡張性、コストなどに問題があった。しかし、NoSQLは業務に使うには未成熟な部分も多いことも事実です。データベースはシステムのフルクラウド化を推し進めるうえでボトルネックとなっていたのです。

 こうした状況を一変させたのが、Amazon AuroraやAmazon Redshiftといった新しいデータベースです。クラウドを前提にゼロから設計されており、従来のデータベースの課題を解消しています。NoSQLと違って設計や運用のノウハウをゼロから習得しなおす必要もない。大規模でミッションクリティカルなシステムをフルクラウドで「早く、安く、軽く」つくることができるのです。

 今後は既存のレガシーな業務システムのクラウド化が進むはず。この分野にチャンスがありますよ。

 シリコンバレーのエンジニアたちはクラウド系の技術ばかりに注目しているわけではありません。現実問題として企業は「クラウドに出したくないもの」を抱えているからです。たとえば、金融やテレコムの基幹データを社外に出すことは考えにくい。今後もオンプレミス環境が完全に駆逐されることはないでしょう。

 そこで注目されているのが、仮想インフラの構築作業を圧倒的にシンプルにするテクノロジー「Hyper Converged Infrastructure」です。これは専用ソフトウェアをインストールした汎用的なハードウェアを相互接続するだけで仮想インフラを構築できるスグレモノ。ハードウェアを追加すればいくらでもリソースを拡張できます。複雑なネットワーク設定はいっさい必要ありません。クラウドと同じような仮想環境がオンプレミスでも安く簡単にできるんです。代表的な製品にGoogleの出身者がつくったNutanixがあります。

 今後、インフラの物理的な構築作業は減っていき、いかにソフトウェア化し、自動化していくかが問われます。

 ビッグデータを処理する手段としてHadoopや、その後継にあたるSparkが注目を集めています。トレンドに乗り遅れまいと習得を考えている人も多いのではないでしょうか。しかし、HadoopやSparkもNoSQLと同じく過渡期のテクノロジーかもしれません。

 じつはいま、Apache ApexやSnappyDataをはじめとして、大量データのストリーミング処理を可能にするテクノロジーが登場しています。従来、まずはデータをいったんデータベースに格納し、バッチ的に処理を行ってきました。一方、ストリーミングではインプットされたデータをそのままメモリー上で即時に処理します。

 当然のことながら、ストリーミングはバッチに比べてケタ違いに速い。IoTやFinTech、アドテクなどの分野で求められるのはまさにこの即時性なんです。たとえば、クレジットカードの不正利用の摘発を考えてみましょう。従来型のシステムでは過去のデータを追跡して犯人をつきとめるほかありません。一方、ストリーミングではリアルタイムに不正利用を発見し、お金の移動を止め、当局に通報するといった対策が可能です。

 今後、データやイベントが発生するつど、即時に処理するニーズが増えていきます。システムがPull型からPush型へと変化すると言い換えてもいいでしょう。

 ハードウェアの分野でも革新が起きようとしています。その筆頭格が不揮発性メモリー。電源を落としてもデータが消えないメモリーです。いまはまだ半導体メーカーが開発を進めている段階ですが、シリコンバレーでは大変にHotなトピックです。

 現行のメモリーは高速ですが、電源を落とすとデータが消えてしまいます。だから、ハードディスクにデータを書き込むわけです。ところが不揮発性メモリーではその必要がありません。なにしろデータが消えないのですから。不揮発性メモリーのインパクトは甚大です。マシンの起動やシャットダウンの概念がなくなる。データベースなどのシステムアーキテクチャも変わります。ハードウェアの最新動向もウォッチしてみてください。

 Google Polymerをはじめとするフロントエンド技術の成熟も話題になります。これまではHTMLやCSS、JavaScriptなどを組み合わせて、ゴリゴリと個別につくりこまなければならなかった。このため非常に生産性が悪く、バグも多かったのです。しかし、こうした状況がようやく変わりつつあります。

 たとえばGoogle Polymer。Web ComponentsやオフラインキャッシュやWebPushなど、フロントエンドの構築に必要な要素をまとめたライブラリです。ユーザーが快適に利用できるUIをスマートかつスピーディに実装できるようになります。これらの技術をマスターしたエンジニアはチャンスが広がりますよ。

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Shigeru Urushibara(うるしばら しげる)プロフィール

1987年に東京大学工学部を卒業し沖電気工業株式会社へ入社。同社在職中の1989年より2年間、スタンフォード大学コンピュータシステム研究所客員研究員。帰国後は大規模基幹系システムを多数手がける。2000年7月、戦略的ITに特化したウルシステムズ株式会社を設立、代表取締役社長に就任。2006年2月、大阪証券取引所(現:東京証券取引所)JASDAQ スタンダードに上場。2011年10月よりULSグループ株式会社の代表取締役社長を兼任。製造・通信・金融・公共・交通・情報サービス業を中心に、戦略的ITコンサルティング事業およびクラウドサービス事業を展開している。

企業情報

設立 2000年7月
資本金 1億円(2015年3月31日現在)
売上高 43億225万円(2015年3月期:連結)
従業員数 253名(2015年3月31日時点:連結)
事業内容 戦略的ITコンサルティング
URL http://www.ulsystems.co.jp/

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