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INTERVIEWインタビュー
情報通信コンサルティング株式会社 代表取締役 Yasuyuki Koyama

❝もう患者を待たせない❞病院向け診療予約システムで急成長

世界レベルのトップエンジニアが生んだ「真に社会に役立つプロダクト」

情報通信コンサルティング株式会社 代表取締役 Yasuyuki Koyama

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電子工学の修士号を取得後、大手精密機械メーカーとロボットを開発するベンチャー企業で働く。米国留学から帰国後、フリーランスエンジニアとして活躍─。小山氏は世界基準のエンジニアだ。そんな同氏が世に送り出した『ドクターキューブ』は、社会問題である病院の待ち時間を劇的に減らすと同時に、診療の生産性を大幅に向上させる診療予約システム。シリコンバレーで台頭する「ヘルスケアTech」の波にも乗り、小山氏が率いる情報通信コンサルティングは大阪を本拠に、急成長中。社会の進化を加速するプロダクトを生み出した同氏に、経営哲学とエンジニア論を聞いた。

※下記はTech通信Vol.07(2018年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

病院の「働き方改革」にもなる

―いまシリコンバレーでは「ヘルスケアTech」という領域がブームになっています。1999年に診療予約システムの初号機を世に送り出して以来、18年間にわたってこの領域に携わり続けている小山さんからみた、「IT×ヘルスケア」領域が盛り上がるまでの経緯を教えてください。

 日本では、医療はIT化がもっとも遅れている分野のひとつです。社会保険制度による統制産業で競争が少なかったこと、一人ひとりの人間が相手で画一的に処理できない業務内容などが原因です。

 しかし、近年は従来型の公共医療にくわえて「健康な人をさらに健康にする」医療分野が急成長しており、こちらは自由価格の競争市場です。さらに、ITの進化は非定型な業務も器用に処理する賢明さを獲得し、技術面での壁も克服されつつあります。また、膨張し続ける医療費に各国とも悩まされており、従来型の公共医療の領域でも、医療の質を下げずにコストを削減する手段としてITへの期待が高まっています。

―それがいまのブームをもたらしたわけですね。その活況のなかで支持されている『ドクターキューブ』はどんなシステムなのですか。

 患者さんの待ち時間を短縮するのみならず、医療機関の人的・物的リソースの最適配分によりアイドルタイムを最小化して稼働率を最大化し、トータルコストを削減する機能を果たしています。製造業でいえば生産管理システム、一般企業でいえばERPのようなものです。

 このシステムを導入した医院では「患者さんが増えたのに医院スタッフは早く帰るようになった」「以前よりゆったりしたペースで仕事ができるようになった」などの変化があらわれ、医院スタッフの「働き方改革」も実現しています。

 医療分野はIT化に出遅れていたぶんだけ、手つかずのIT化テーマが豊富にあります。さらに画一的な処理が困難でひとりずつのきめ細かな処理が要求される点は日本文化と相性がいい。「IT×ヘルスケア」という世界的成長分野で、「国際競争力がない」といわれ続けてきた日本のソフトウェア産業が、世界を舞台に活躍する嚆矢(こうし)となる可能性を秘めています。

アメリカのテレビCMで受けた衝撃

―小山さんは電子工学の修士号を取得後、大手精密機械メーカーとロボットのベンチャー企業を経験。米国留学を経て、フリーランスエンジニアとして活躍していたそうですね。なぜ起業したのですか。

 理由は2つあります。まず、米国留学中に「起業は特別なことではない」と知ったこと。あちらでテレビを観ていたら、主婦や学生が起業して成功した実例を次々に紹介し、最後に「さあ、あなたも起業しましょう、資金は当行が用意します…」という映像が流れていました。銀行のCMだったんです。

 次に、自分の技術の価値を世に問いたかったことです。米国で最先端のITに触れた結果、世の中のさまざまな仕事について「ITをこう適用すればこんなふうに改善できるのに」と観察するくせがつきました。

 そうはいっても、なんでもかんでも手を出せるわけではありません。ひとりの人間が取り組めるテーマは1つかせいぜい2つ。かつ、他人の後追いはしたくない。出すとしたらこの世にないか、あったとしてもそのなかで最高かつ最良であり続けたいと思いました。最高かつ最良のIT製品を自分ならつくれそうな自信が、なんとなくわいてきたのです。

「おもしろい」だけでは売れない

―業績は順調に伸びましたか。

 いいえ。初めは失敗の連続でした。最初につくった画像による不動産物件案内システムは、いまでは当たり前ですが、当時は画期的でした。名だたる大手を含む多数の企業から問い合わせが殺到。説明に行くと、どこでもおもしろがられました。しかし、だからといって買ってくれるわけでも出資してくれるわけでもない。そのうち創業資金も底をつき、資金繰りにことかくようになりました。

 そこで、「社会にとって真に価値があるIT製品をつくろう」とテーマの選定段階から試行錯誤を繰り返しました。診療予約システム『ドクターキューブ』を発売し、「これならいける」という感触を得るまでに7年の歳月をついやし、5つの製品を出しては引っ込めていました。

―『ドクターキューブ』が成功した要因はなんでしょう。

 エンジニア、セールス、カスタマーサポートの三位一体で医院の悩みを解決する体制を整えていることです。単なる「ご用聞き」ではありません。顧客が「ほしい」というものをつくるのではなく、顧客の期待を上回るものをつくって「これがほしかった!」といってもらう。そんな感動を提供するには、日ごろから、エンジニアであっても医師、看護師、医院スタッフおよび患者さんの生の声を聴き、幅広い視野から大小さまざまな問題への解決策を模索し続けないといけない。顧客の期待の一歩先を行く感動を提供し続けた結果、クチコミで評判が広がっていったのです。

新プロダクト開発は若手にまかせる

―今後、どんなビジョンを描いていますか。

 まず、5年後までに『ドクターキューブ』のマーケットシェアを51%超にします。51%を超えると「デファクトスタンダード」として認知され、盤石の収益基盤が確立します。そのタイミングで株式上場と海外進出、診療予約システム以外の新製品リリースを予定しています。

 診療予約システム以外の新製品は医療系以外でもかまいませんが、条件がひとつだけあります。出すからには必ずデファクトスタンダードになること。取り組むべきテーマについては、私ではなく若い人たちの感性に期待しています。『ドクターキューブ』でつちかった成功ノウハウと収益を投入し、新製品を短期間でデファクトスタンダード化します。

―「社会の発展に貢献している手ごたえがある仕事をしたい」と志している人材に向けて、メッセージをお願いします。

 この世に生をうけたからには「いちどしかない人生をなにに使うのか」をぜひ考え、明確なイメージを描いてほしい。そしてそのイメージを夢として、強く願うこと。
 
 夢というのは不思議なもので、あきらめずに強く願い続ければ、いつか実現するものです。私ごとでいえば、5連敗してそこであきらめていたらこの会社はなかった。ぜひ大きな夢をもって、実現するまで念じ続けてほしい。

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