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INTERVIEWインタビュー
株式会社Soft House Concierge 代表取締役 Yusuke Higuchi

1対1指導で未経験者を一流に育てるハイスペック・エンジニア集団

株式会社Soft House Concierge 代表取締役 Yusuke Higuchi

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グローバルレベルの巨大企業の基幹システムの開発プロジェクト。その要件定義や設計などの上流工程の仕事といえば、大手システム開発会社の独壇場…ではない。社員数23名のエンジニア集団、Soft House Concierge(ソフトハウスコンシェルジュ)に依頼が殺到しているからだ。同社代表のHiguchi氏をはじめ約半数のメンバーがプロジェクトをコントロールする上流工程に携われる、ハイスペックのエンジニアだ。しかし、人材採用では未経験者やITの知識にとぼしい人でも歓迎するという。一流エンジニアが1対1で後輩を指導。短期間に育成できる仕組みをつくっているからだ。Higuchi流の人材育成術などを同氏に聞いた。

BtoCシステムの受託開発に注力中

―システム開発をメインに事業展開しているそうですね。

 はい、大きく2種類あります。ひとつは、大手の銀行や保険会社などの社内システムを、先方のオフィスにエンジニアを派遣して開発するSES事業。もうひとつは、ショッピングサイトなど顧客企業が消費者向けに事業展開するためのシステムを、当社内で開発する受託開発事業。2011年の設立以来、前者を主軸にしてきましたが、2017年ぐらいから受託開発にシフトし始めています。

 SES事業は顧客先で仕事をするので、そこで得られたノウハウを当社として蓄積しにくい。また、若手の育成がなかなか思うようにできないといったデメリットが存在します。そこで2017年末から受託開発に注力することにしました。当面の目標はSESと受託の全体売上高に占める割合を1対1にすることです。

社員の約半数が上流工程を担当可能

―SESではどんな案件を手がけているのですか。

 たとえば、世界でも有数の外資保険会社の基幹システムを手がけています。1ヵ月間に入ってくるトラフィックが数千万の単位になる、巨大なものです。この規模のシステムについて、私たちは要件定義や設計といった上流工程を手がけています。

 こういったことができるのは、中小企業では、ごくわずかだと思います。高度で幅広いシステムの知識が必要なだけでなく、保険というビジネスや顧客企業内の業務フローにも精通していなければならないのですから。実際私自身がプロジェクトに入っていたとき、契約者との約款の内容について顧客企業の担当者に意見したこともあります。

―多くのシステム開発会社が「上流工程に携わり、下請け体質から脱却したい」と考えています。でも、なかなかうまくいかないのが実情です。なぜ、Soft House Conciergeはそれができるのでしょう。

 社員の約半数、10名ほどが上流工程を担当できるハイスペック・エンジニアだからです。たとえば「100名のエンジニアがいる」という大手企業でも、上流工程を担当できるのはそのうち1割に満たないケースが多い。つまり、私たちのような少人数の会社でも、精鋭をそろえていれば、十分に太刀打ちできるわけです。

「ググるな。隣の先輩に質問しろ」

―なるほど。ということは、人材採用では即戦力のハイスペックなエンジニアを求めているわけですね。

いいえ、ITの知識にとぼしくても、未経験でも積極的に採用していますよ。

―えっ。ハイスペックな先輩エンジニアの方々からしたら、足手まといになるだけなのでは…。

 いえいえ、そんなことはありません。後輩に教えることで、担当者も説明する力といったものを磨くことができます。そういったものは顧客に提案するときにも役立つでしょう。

 当社では、社歴の浅い若手エンジニアひとりにつき、ベテランエンジニアひとりをつけるマンツーマン指導体制をとっています。指導する側のエンジニアには、「いま忙しいから、オレに話しかけるな」というオーラを出してはいけない。むしろ「どんどん質問してくれ」といったオーラを出せ、と言っています。知識の少ない後輩エンジニアは知識をどん欲に求めてきます。放置するのは絶対にNGです。また、後輩エンジニアに対しては「わからないことがあったとき、ググるよりも、隣の先輩に聞きなさい」と教えています。

オフィスのそこかしこでマンツーマン指導

―たいていの会社の若手教育では、「調べてから、ホントにわからないことだけ上司や先輩に質問しろ」と教えています。

 それを否定はしません。本を読んだりネット検索をしたりして、問題を自己解決する能力を身につけるのも大切なことですから。ただ、ネットで調べるのと、先輩に聞くのと、どちらも情報を調べるツールと考えれば、知識を吸収するためにより早く確実なほうを選択すべきでしょう。たいていの場合は後者だと私は考えます。それにくわえて、説明する側も「説明する」ことの訓練になるメリットがありますしね。

―オフィス内で、2人の社員が並んで座って話をしながら仕事を進めている。そんなペアがいくつかあるのを目にしました。あれがマンツーマン指導なんですね。では、未経験で入社して、いまでは第一線で活躍しているメンバーの事例を教えてください。

 たとえば、いま27歳の男性エンジニアの例です。当社ではマンツーマン指導を“卒業”するための試験のようなものをもうけています。「当社のメンバーが誰も入っていない新規のプロジェクトに、ひとりで出向いて成果を出してくる」というものです。これは立候補制。「自分はもう一人前だ」と本人が思うタイミングで手を挙げてもらう。彼の場合、未経験で入社して3年目に立候補しました。

 そのプロジェクトでは、顧客先の会議室に幹部の方々が10人ぐらい集まっている場で、彼がシステムの内容を説明する機会がありました。私は別室からTV会議システムを通して、彼のプレゼンを見ていました。後半、顧客の担当者から雨あられのような質問を浴び、彼は泣きそうになっていましたよ。私に助けを求めるように、TV会議システムのカメラを見つめていましたが、あえて私は無視したんです。でも、彼はなんとか踏みとどまってプレゼンをやりきりました。

 そして、その案件を最後にはきっちりとやり終えたんです。そのときはじめて、私は「おめでとう」と声をかけました。そこから、彼は変わりました。自信をもってプロジェクトを遂行できるようになったんです。いまでは、後輩を教える側に回っています。

エンジニアの離職率はゼロ

―“卒業試験”に落第してしまうケースもあるのでしょうか。

 ありますよ。たとえば、未経験で入社し、入社3年目の男性社員の場合です。「もう自分は一人前」と勇んで、ある案件にトライした。でも、プレゼンの場で顧客の担当者から厳しい切り返しを浴びて、うまく対応できず、玉砕してしまったんです。その帰り道、「社長、ひと駅ぶん、一緒に歩いてもらえませんか」と。歩きながら、その日の反省点をひとつひとつ振り返り、次回に向けて「ダメだった個所を改善していこう」とアドバイスしました。

 それから1ヵ月、みっちりプレゼン講習をやりました。それで彼は別の案件に再チャレンジ。こんどは顧客の担当者から「3年目で、このプレゼンはすばらしいね」とほめてもらえたんです。そこからはひとり立ち。彼もいま、後輩を教える側に回っています。

―2年数ヵ月でひとり立ちできるというのは、他社の平均的な育成スピードよりも速いですね。

 そうかもしれません。ひとつの理由として、採用段階で人材を厳選していることもあると思います。未経験であってもかまわないのですが、当社のシステム開発に「向いている人」を採用しています。私たちはつねにチームで仕事をします。本当によくしゃべりますし、お互いを気にかけながら仕事をしています。そういったチーム開発に溶け込めるかどうか。

 また「あきっぽい人」なんかも向いているかもしれませんね(笑)。システム開発において同じことの繰り返しはありません。「つねに違うことにチャレンジしていたい」といった志向の人が向いています。

 こうした条件をクリアーする人材が集まり、先輩との濃密なコミュニケーションのなかで学び、システムという作品をみんなで完成させていく。若いエンジニアはその中で成長していけばよいと考えています。みんなプライベートでも仲がいいですよ。さかんに集まって交流しています。そういったことも功を奏しているのか、これまでエンジニアの離職はいちどもないんです。これは少しだけ誇れることですね。

―新しい人材を迎え入れたうえで、今後、どんな将来像を描いていますか。

 いまの当社のカルチャーを維持したまま、成長していければいいと考えています。「株式上場を目指す」とか「M&Aで規模を拡大する」というのは、カルチャーを変えてしまうリスクがあるので、いまは念頭にありません。

 事業拡大の方向性として検討しているのは、「顧客の必要としているシステムをより正確に探り出す」という点で他社と差別化できないか、ということ。当社が上流工程に携われるのは、顧客への説明スキルの高さがあるから。これを武器に顧客が求めているシステムのイメージから、私たちがアイデアを出し、より正確に具現化すること。また、そういったサービスを立ち上げられたらいいなと。いま構想を練っているところです。

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Yusuke Higuchi(ひぐち ゆうすけ)プロフィール

1980年、東京都国立市生まれ。2004年、IT企業に入社。システムエンジニア、システムコンサルタントとして経験を積んだ後、独立。フリーランスエンジニアとして活躍。2011年に株式会社Soft House Conciergeを設立、代表取締役に就任。

企業情報

設立 2011年4月
資本金 1,000万円
売上高 2億円(2017年3月期)
従業員数 23名
事業内容 システムコンサルティングサービス、Web開発サービス、データベースサービス
URL https://www.sh-concierge.com/

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