活躍しているエンジニアの職場を取材!エンジニアのキャリアアップ情報サイト
  • お問い合わせ
活躍しているエンジニアの職場を取材!
エンジニアのキャリアアップ情報サイト
INTERVIEWインタビュー
WHILL, Inc.  最高経営責任者(CEO) 杉江 理

日本発の若きモノづくりベンチャー

世界を驚かせた既成概念を超える次世代車いす

WHILL, Inc.  最高経営責任者(CEO) 杉江 理

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

日本発のスタートアップ・WHILLは、誰もが思わず乗りたくなるような、まったく新しい発想の次世代車いす「WHILL」を開発・販売している。この斬新なプロダクトを、日本の15倍の市場規模をもつ米国に投入。さらに世界の市場を視野に入れて事業拡大を目指している。世界に誇る若い世代のモノづくり精神について、最高経営責任者の杉江氏に聞いた。

すべての人の移動を楽しくスマートにする

―事業内容を教えてください。

 パーソナルモビリティ「WHILL」の開発・販売です。これは行きたいところに出かけられる新しい乗り物です。細い路地、砂利道、芝生、でこぼこ道、室内外どこへでも。これまでの電動車いすは走破性、小回り性から行ける所が限られていました。

 でも、「WHILL」があれば十分。 その理由は、最先端の技術を結集し、独自に開発された特別な前輪タイヤ。24個の小さなタイヤで構成されていて、幅60㎝のコンパクトな車体は後輪を中心にその場で回転することができます。さらに、パワフルな四輪駆動なので7.5㎝の段差も乗り越えることができ、悪路の走行も可能なのです。

―高度なテクノロジーの結晶なんですね。

 ええ。ハードウェアだけでなくソフトウェアも進化を続けています。「WHILL」をiPhoneに接続すれば、リモートコントロールや速度の設定も思いのまま。介助が必要な方が使っている場合、介助者が後ろから操作するのではなく、イスの横で一緒に歩きながら話したりできます。それからGPSの活用。いまどこにあるのかを把握でき、高齢者の見守りに役立てられます。今後も「WHILL」をアップデートして、さらなる高機能化を目指します。クラウドにつながることでロボット化していくという進化も考えています。

 私たちのミッションは、「すべての人の移動を楽しくスマートにする」。障害をもつ方だけのためのモノをつくる気はなくて、あらゆる人が使えるパーソナルモビリティサービス。その「あらゆる人」のなかに障害をもつ方も含まれているイメージですね。

世界を相手にモノづくりをやりたい

―シリコンバレーに来たいきさつを教えてください。

「150万 VS 10万」。これがなにかっていうと、米国と日本のパーソナルモビリティのユーザー数なんです。アメリカはダントツでユーザーが多いんです。それで渡米しました。シンプルな答えです。ユーザーの近くでヒアリングして、体感してつくったほうがよいプロダクトができるに決まっているから。

 もともと世界を見て回るのは好きでした。ボリビア、パプアニューギニア、ラオス、ウズベキスタン、キルギスタン。さまざまな国に、それぞれ数ヵ月滞在した経験がある。海外に出て行くということに対しての抵抗はなかったですね。

―シリコンバレーでの苦労はどんなところにありますか。

 デリバリーを始めたのが2015年4月。この業界はレギュレーションなど複雑な事情もあります。これを1個1個、ひもといていきながらやっています。そのために、プロフェッショナルな人材が必要。だからいまは、人材採用に注力しています。ただ、日本と大きく違うのは、雇ってみてダメだったら、すぐ解雇する風土があること。KPIを設けパフォーマンスが悪ければ解雇。合理的で厳しい世界です。私もアメリカではメンバーをクビにした経験があります。「本当の資本主義の世界というのは、こういうことなんだな」と日本との文化の違いを痛感します。どちらかというと日本の思想は社会主義っぽいなと思いますね。

ネガティブなものがいつかポジティブを超える

―「WHILL」の成功を確信している理由はなんでしょう。

 ネガティブがポジティブになり、そしていつかポジティブを超えていく。そう思っているからです。僕が子どものころはメガネをかけている人って「メガネ猿」とか言われていじめられたりしていました。それってメガネがネガティブなものだったからです。でもいまは、だてメガネもあります。ファッションの一部として考えられるようになった。最近なんて、Google Glassができて、ポジティブを超えるような、もうよくわからないすごい次元にたどりついていますよね。これはきっと、電動車いすも同じだと思います。誰もが「便利だから」「必要だから」、そして「カッコいいから」という理由で「WHILL」に乗る世の中がつくれると考えています。

  • Facebookでシェアする
  • Twitterでつぶやく
  • POCKET
  • LINEで送る

杉江 理(すぎえ さとし)プロフィール

1982年、静岡県生まれ。立命館大学卒業後、日産自動車株式会社に入社。開発本部に配属される。退社後は、中国へ渡り南京で日本語教師を1年間務める。その後2年間、世界各地を回る。2012年にWHILL, Inc. を設立、最高経営責任者(CEO)に就任。元世界経済フォーラム(ダボス会議)GSC30歳以下日本代表。

企業情報

設立 2012年5月
事業内容 パーソナルモビリティの生産・販売
URL http://whill.jp/about-company/

こんな記事も読まれています

記事を全て見る

※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。

pagetop