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INTERVIEWインタビュー
Slack Co-founder CTO Cal Henderson

ルーツはゲーム会社。メールをレガシーに追い込む“創造的破壊者”

ビジネスコミュニケーションを変革するMail Killerの肖像

Slack Co-founder CTO Cal Henderson

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チェックの半そでシャツに半ズボンのサンダル履き―。
これからBBQに繰り出しそうないでたちのビジネスマンをカリフォルニアのオフィス街で見かけたらそれはSlackのCTO、Cal Henderson氏かもしれない。ゲーム会社をルーツにもち、「使いやすい」「楽しい」というゲーム文化をBtoBソフトに応用、急成長を遂げている。
ソフトだがストレートな戦略でメールをレガシーに追いやる“創造的破壊者” Henderson氏に、Slackの人気の秘密や今後の成長戦略などを聞いた。

※下記はTech通信Vol.03(2015年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

ビジネスチャット市場を確立。日本でも高い人気

―Slackはメールに取って代わるコミュニケーションツールだと言われ、ビジネスチャットという新たな市場を確立しました。どんな点がメールよりも優れているんですか。

 社内で簡単にメッセージやファイルのやり取りができ、チームの生産性を高められる点です。

 操作性や機能性についてのメールとの大きな違いは、リアルタイムかつ簡単にコミュニケーションできる点です。たとえば、ファイル共有の操作はドラッグ&ドロップするだけ。メンバーはそれにコメントをつけてフィードバックすることもできます。

 多数の外部ツールと連携していて、それらをSlack 上で容易に利用できる点もメールにはない大きな特徴です。現在、Google Drive、Dropbox 、GitHubなど600以上の外部ツールと連携しており、BoxやSalesforceなど、100種類以上のビジネスコミュニケーションツールなどとも連携する計画です。

―日本でも盛んに使われています。

 日本での人気ぶりには、われわれも驚かされています。すべて英語表記だし、料金も米ドル対応ですから。日本は最近までアメリカに続いて2番目に売上の大きな国でした。

―課金率も高いですね。

 Slackのユーザーは両極端。非常によく使うか、まったく使わないかのどちらか。ときどきしか使わないといった中途半端な利用はされていません。ですから、業務上で必要不可欠なツールとしてSlackを利用する人が多いため、課金率も高いのだと思います。

 比較的、低料金なのも課金率が高い理由でしょう。ひとりあたりのユーザーにかかるコストは、1日わずか0.22ドルですから。

早すぎても遅すぎてもダメ。タイミングが大事

―どんなマーケティングをしているのですか。

 全部クチコミです。大きな広告を出したことはありません。Slackを気に入ってくれたユーザーたちが、リアルやソーシャルツールで紹介してくれて、広まっているのです。

 なぜ多くのユーザーが気に入ってくれているのか? その背景には、私たちがもともとゲームソフトなど消費者向けサービスをつくっていたことが大きく影響しているように思います。

 たとえば、なぜみんながFacebook やTwitterを使うのかを分析し、Slack のデザインなどに活かしています。一般的に、BtoB向けのソフトウェアは使いにくいものが多いですね。Slackは、そういうサービスにはしたくなかったんです。

―2014年2月にサービスを開始し、わずか1年半で28億ドルの企業評価額がついています。こうした評価の急上昇について率直な感想を聞かせてください。

成功するとは思いませんでした。もともと当社はゲーム会社でしたし。そこから、なかば偶然のようにサービスができあがり、こんなに人気を得て成功するなんて、だれも想像していませんでした。

―その要因はなんだと思いますか。

 タイミングだと思います。もし10年前にSlackを始めたとしても、いまのように受け入れられなかったでしょう。

 いまは誰もがコンピュータやインターネットを日常的に使い、さまざまなツールを活用して仕事を進めています。これまでのさまざまなインターネットサービスの積み重ねがあるからこそ、Slackは存在できているのです。

 新しいサービスが成功するかどうかは、タイミングが大事。早すぎても、遅すぎてもうまくいかないものです。

現地化戦略でグローバル展開。日本語バージョンの投入も検討

―そうした謙虚さも起業を成功させる要因なのでしょうね。最後に、グローバル展開の方針を聞かせてください。

 まずはアメリカに力を注ぎます。そして次にヨーロッパに進出し、順次、ほかのエリアにも展開していきます。各国で独立採算制にして、その国の言語や決済システムが使える体制にしたいですね。いずれ、日本にもオフィスを置くと思います。

 Slackが目指しているのは、仕事をよりシンプルに、より快適に、より生産的に、という価値の提供。そのビジョンを全世界に普及させていきたいですね。

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企業情報

設立 2009年
事業内容 社内チャットツール『Slack』の運営
URL http://slack.com/

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