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INTERVIEWインタビュー
時代を象徴する「スーパーユニコーン」
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※下記はTech通信Vol.2(2015年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

時代を象徴する「スーパーユニコーン」

―投資先の企業規模を教えてください。

 アーリー、ミドル、レーター、それぞれ3割前後の割合です。なかでも増加傾向にあるのが、従来のアーリーステージよりも若いシードステージ。その大きな要因として「モバイル」と「クラウド」の世界的潮流があげられます。両分野の技術革新により、短期間かつ少額の資金で起業が可能となりました。たとえば、数万ドルの資金でスマホアプリを開発・運用して、莫大な利益を得られる可能性があるわけです。
 このような話をすると、「VCは小さなベンチャーを育てる」というイメージを抱くかもしれません。でも私たちは経済全体に大きなインパクトを与える存在です。たとえばアメリカでは、VCが出資した企業の売上規模がGDPの約20%にのぼります。
 ほかにわかりやすい指標として、企業の株式時価総額ランキングがあります。アメリカのトップ10社はすべてIT 関連。そのうちの8社がVCから投資を受けて成長した企業です。

―テック系企業がアメリカ経済をけん引しているわけですね。

 ええ。この流れは1960年代から始まっています。シリコンバレーでは時価総額10億ドル以上の企業を「ユニコーンクラブ」、100億ドル以上の企業を「スーパーユニコーン」と呼ぶことがありますが、過去のスーパーユニコーンを振り返ると、時代を象徴する分野がわかります。
 まず60年代のスーパーユニコーンはIntel Corporation。「半導体」の時代です。70年代はMicrosoftとApple による「パソコン」の時代。80年代に入るとOracleCorporation やCisco Systems が急成長を果たし、「ネットワーク」の時代が到来します。90年代はコンシューマにネットワークが広がり、Googleに代表される「インターネット」の時代になる。そして2000年代はインターネット上で個人のつながりを実現する「ソーシャルネットワーク」の時代。つまりFacebookです。

2,000億円のスピード買収劇を生んだクラウドファンディング

―2010年代を象徴する分野はなんですか。

 まだわかりません。ここ10年で立ち上がった「ユニコーンクラブ」に属する企業は、ざっと40社。未上場企業が約半数を占めます。その事業分野は、EC、SaaS、コンシューマ、エンタープライズの4つに大別できます。
 ここ数年、急激に立ち上がっているのがクラウドファンディングのプラットフォーム。これがハードウェアのイノベーションを加速させていて、非常におもしろい動きだと感じています。

―もう少し具体的に教えてください。

 たとえば、VRヘッドセットを製造しているOculus VR の事例。2012年に設立され、数ヵ月後にKickstarterのクラウドファンディングで約2億円を調達しました。その資金でユニークな製品を開発し、多数のVCが投資。2013年6月に約16億円、12月に約75億円を資金調達しました。そして2014年3月、約2,000億円でFacebookに買収されたのです。クラウドファンディングがなかったら、このスピーディな事例は生まれなかったでしょう。

オープンイノベーションの潮流

―Oculus VRのように、シリコンバレーの起業家はエンジニアが多いのでしょうか。

 エンジニアひとりではなく、ビジネスサイドを担当する人とペアを組む場合が多いです。Zuckerberg(Facebook CEO)のように、カリスマ的なトップを務めるエンジニアのほうが少ないですね。
 一般論としては、トップの座に固執するよりも企業が成長する各ステージでCEOを交代した方が飛躍しやすいでしょう。アメリカは起業家が活躍しやすい環境なので、経営人材が豊富。「0から1」「1から10」「10から100」と、成長ステージごとに得意分野の異なる経営者がそろっています。
 だから順調に売上が伸び続けても、CEOが交代するケースが多い。VCの機能のひとつには、このような経営陣の強化という側面もあるのです。

―テック系ベンチャーの動向について、今後の展望を聞かせてください。

 IoT(モノのインターネット)を含めて、シリコンバレー発のベンチャーがさまざまな業界に波及していくと予測しています。
 アメリカでは多くの大企業がベンチャー投資・買収を通じて※オープンイノベーションへの取り組みを推進。Googleをはじめ、積極的な企業は平均すると売上の0.6%をベンチャー投資に回し、有望なベンチャーとの接点を増やしています。イグジットとしてIPOよりもM&Aが増えている背景には、こういった大きな潮流があるわけです。
 当社はシリコンバレーのベンチャーと起業家を育てる一方、日本の大手事業会社にシリコンバレーのイノベーションを活用してもらう取り組みを幅広く行っています。この流れのなかで日本からもイノベーションが生まれることを期待しています。

※オープンイノベーション:自社の技術だけでなく他社がもつ技術やアイデアを組みあわせて、革新的な商品やビジネスモデルを生み出すこと

Draper Nexus Ventures が支援するスタートアップ

―有望なスタートアップを見極め、大胆に投資するDraper Nexus Ventures。なかでも注目を集めているのが、モバイル仮想化プラットフォームを提供するRemotiumだ。Co-FounderのSinan Eren にサービスの特徴などを語ってもらった。

当社はセキュリティプラットフォーム「Remotium」を開発・提供しています。これは仮想化技術によって、モバイル端末に重要なデータを残さずに作業できる仕組み。コンセプトは仮想デスクトップと似ていますが、モバイルアプリケーションのUI/UXをそのまま使える点、「いつ、どこで、誰が、どの端末を使って、何にアクセスしたか」を可視化できる点が特徴です。
 具体的には、サーバ上でモバイルアプリを走らせ、その実行結果をスマホやタブレットの画面にリアルタイムでストリーミング。端末側はディスプレイとして表示するだけなので、会社貸与の端末でも個人所有の端末でも業務に使えます。いわゆる※BYODが安全な環境で実現できるわけです。
 このサービスが注目されている理由は、ビジネスシーンでモバイル端末の活用が求められている一方、さまざまな脅威が存在するからです。端末の紛失・盗難リスクはもちろん、iOSやAndroid自体にも脆弱性があります。またアプリのなかには、端末内に保存されている連絡先のデータを自動的にサーバにアップするものも存在します。 スマートフォンのスペックは一昔前のパソコンと変わらなくなってきており、モバイル仮想化環境はまさにこれから必要とされる状況です。実際、さまざまなメディアにとりあげられた結果、Draper Nexus Venturesなどから出資を受け、日本にもネットワークができました。そして日立ソリューションズやマクニカネットワークスと提携し、昨年から日本でサービスを開始しています。今後は世界中に安全なBYODを広げ、ビジネスパーソンを生産的かつハッピーにしたいですね。

※BYOD(Bring Your Own Device):個人所有の情報端末を従業員が業務に活用すること

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Hironobu Maeda(ひろのぶ まえだ)プロフィール

1975年、神奈川県生まれ。1998年に慶應義塾大学を卒業後、住友商事株式会社に入社。2004年、子会社のPresidio Venturesにてシリコンバレーで投資育成事業を行う。2006年、Globespan Capital Partnersに入社し、投資・事業開発を担当。2013年、Draper Nexus Venturesに参画。シリコンバレーベンチャーファンドの日本人最年少GPとして、日米両国の有望なベンチャーへの投資・育成を行う。

Remotium Co-Founder/Chief Product Officer Sinan Eren(シナン・エレン)プロフィール

イスタンブル工科大学卒業。2012年にRemotiumを設立し、Chief Product Officerに就任。2013年、セキュリティ業界最大のカンファレンス「RSAConference 2013」にてMost Innovative Company( 最優秀賞)を獲得。その後、DraperNexusVenturesなどから180万ドルの出資を受ける。また、株式会社日立ソリューションズと共同で日本市場向けの製品を開発し、2014年より販売を開始。

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