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INTERVIEWインタビュー
上場や売却が投資の成功じゃない 企業・ユーザー・プロダクトの “ 三方よし”こそ、真の成功だ
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※下記はTech通信Vol.2(2015年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

日本文化から影響を受け シンプルで高品質な価値を志向

―今後は日本にも積極的に展開していくのですか。

 そうですね。アジアのなかでも、とくに日本で流行させたいと考えています。なぜなら、デザインや品質にこだわる日本文化に対して尊敬の念を抱いているからです。
 もともとPathがシンプルで高品質な価値を志向したのも、「わび・さび」をはじめとした日本文化から影響を受けています。とくに共同創業者のデザイナーが強くインスパイアされているのですが、私も毎年一度は必ず日本に行くつもりです。

―世界各国でサービスをローカライズする際の課題を教えてください。

 どういう機能をもたせるかという点でしょう。各マーケットのニーズを把握したうえで、機能を取捨選択すべきです。
 もうひとつのポイントは、デザインも含めた言語対応。たとえばアラビア語は右から左へと横書きで表記しますので、それに適したインターフェースが必要になります。

―アメリカでは若年層のFacebook 離れが起きているそうですが、ニーズが変化しているのでしょうか。

 たしかにFacebookのメッセージ機能はあまり使われていないかもしれませんが、全体としてユーザーは離れていません。
 それを象徴する出来事として、2012年にFacebook はInstagram の開発会社を買収しました。当時、Instagram のユーザーは約1,000万人でしたが、この2年間で3億人以上へと急増。つまり、若年層のFacebookユーザーをInstagramに誘導したわけですね。アメリカでは「InstagramはFacebookのサービス」と認知されていますので、この動きはブランド戦略の一環だと考えられます。
 そもそもFacebookは豊富な資金をもっているので、おもしろいベンチャーを簡単に買収したり、新規分野に進出して市場を独占したりできます。昨年にWhatsAppやOculus VRを多額で買収したのも、そのような流れのひとつでしょう。

広告モデルの限界と 新時代のマネタイズ

―FacebookもGoogleも多数の企業を買収していますが、収益の大半を広告に依存したままです。そろそろ既存の広告モデルに限界が訪れませんか。

 一般的なWebサービスはそうかもしれませんが、Facebookは例外です。なぜならFacebookは全世界で13億人超のユーザーを抱えており、スーパーボウル(NFLの優勝決定戦)のような数千万人を対象にした大規模広告が出せるからです。現在、Facebookの広告売上高はアメリカのCATV 全体の広告市場よりも格段に少ないので、まだまだ伸びしろが大きいと思います。
 その一方、Pathはユーザーの快適性を重視しているので広告を掲載していません。現在はプレミアム会員や一部のステッカーに対して課金しており、将来は個人情報に付加価値をつけたサービスでのマネタイズを構想しています。
 最近の傾向として、モバイル型のSNSはプライバシーが重視されています。たとえばテキストメッセージだけでなく、撮影した写真のデータも長く残らないようにする。このような流れが本格化すると、全体のビジネスモデルも変わってくるでしょうね。

プロダクトの品質を重視して 革新と改善を併存させる

―あなたは投資家としても、Pinterest、Twitter、Evernote、Tumblrなどの成長ベンチャーに早期から投資しています。どのような基準で投資先を選んでいるのですか。

 大きな問題を解決するため、長期的なビジョンを追いかけている会社ですね。自分のエンジェルファンドを「Slow Ventures」と名づけたのも、長い時間をかけて社会をよくしていく企業を支援するためです。私にとって投資の成功とは、企業・ユーザー・プロダクトの“三方よし”を実現すること。上場や売却によってキャピタルゲインを得ることではありません。
 そのほかの基準として、テクノロジーの新規性とプロダクトの品質を見ています。最近ではドローン(無人航空機)の分野に興味がありますね。

―最後に、御社のビジョンを聞かせてください。

 長期的なビジョンとしては、品質をもっとも重視しています。当社のユニークな点は、革新的な試みと同時に地道な改善を続けるところ。この改善プロセスにおいて、日本から学ぶべきことはたくさんあります。今後も洗練された高品質のプロダクトを追求し、どんどん新しいアプリをリリースしていきますよ。

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Dave Morin(デーヴ・モリン)プロフィール

1980年、米国モンタナ州生まれ。コロラド大学在学中にDM DesignStudiosを設立し、FlashイントロやWebアプリなどを制作。大学を卒業後、Appleに入社し、プロダクトマーケティングを担当。その後、Facebookに入社し、Senior Platform Managerに就任。FacebookPlatformやFacebook Connectの開発に携わる。2009年にエンジェルファンド「Slow Ventures」を設立し、Pinterest、Twitter、Nest、AngelList、Quora、Eventbrite、Evernote、Tumblr、Blue BottleCoffeeなど、数々の成長ベンチャーに投資。2010年にPathを設立し、CEOに就任。モバイル端末に特化したクローズドSNS「Path」は1日で500万人以上のアクティブユーザーが利用している。

企業情報

設立 2010年11月
資本金 約6,500万ドル
事業内容 クローズドSNS「Path」およびメッセージアプリ「Path Talk」の開発・運営
URL https://path.com/

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