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INTERVIEWインタビュー
ウルシステムズ株式会社 代表取締役社長 Shigeru Urushibara

大規模システムの第一人者が説くキャリア論

しびれる仕事をしたいなら 最先端の業務系ITをめざせ

ウルシステムズ株式会社 代表取締役社長 Shigeru Urushibara

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いま、業務系ITがアツい─。国内企業が育んできた業務における知恵と最新IT技術を結合させれば、社会に巨大な影響を与えるモノができるからだ。「大きな志をもつ尖ったエンジニアこそ挑戦してほしい」とウルシステムズ代表の漆原氏は語る。マツダのグローバルシステムやANAの航空券予約システムなど企業成長を加速する「戦略的IT」を数多く手がけてきた同氏に若手エンジニアの目の前にある大きなチャンスについて聞いた。

※下記はTech通信Vol.2(2015年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

日本独特の業界構造が エンジニアの成長を阻んできた

―漆原さんはスタンフォード大学の研究所で最先端ITの研究に携わるなど、シリコンバレーの事情に精通しています。日米のIT業界の違いを教えてください。

 エンジニアの社会的ステータスに大きな差があります。米国ではソフトウェアエンジニアは花形。なりたい職業の上位につねにランクされています。それに比べて日本では、なぜか陽の当たらない職種になってしまっている。
 その背景には日本独特の業界構造があります。国内エンジニアの75%がいわゆる受託開発の仕事をしている。多重請負構造の末端にいるエンジニアはクライアントとの距離が遠いので、自分の仕事とビジネスとの関係を理解しにくい。滞りなく納品することが優先されるので、“枯れた技術”を使いがち。納期にしばられ、仕事の時間も自由にコントロールできない。そんな閉塞した職業に子どもたちが憧れるはずがない。
 これに対して米国では73%がユーザー側に所属している。仕様も予算も納期も利用技術も自己責任で決められる。ビジネスをドライブし企業を成長させるコアな役割をエンジニアが担当しているから、社会的ステータスが高いのです。

―そんな日本の構造のなかで、シリコンバレーのエンジニアのように活躍できるチャンスはあるでしょうか。

 大いにありますよ。というのもいま、国内の名だたる企業の多くが新たな業務系ITを構築する重要性に気づき、投資を始めたからです。この流れに乗ればいい。
 いま盛んになりつつある業務系ITは、これまでのヒト・モノ・カネを管理するための「守りのIT」ではなく、「攻めのIT」です。「守りのIT」では大半の企業が横並びで似たようなパッケージシステムを導入していた。標準化されたモノをマニュアル通りにつくるという、尖ったエンジニアがやりがいを感じにくい仕事でした。
 でも、これからは違う。企業がそれぞれの顧客と接する現場で培ってきた業務の知恵。競合優位性の源泉である各社各様のビジネスノウハウをクラウドやビッグデータに代表される最先端ITと組み合わせ、飛躍的に成長するためのシステムを構築していく時代が来たのです。
 たとえば小売業のサプライチェーン業務を変革すれば、その日とれた新鮮な食材が夕方には食卓に載せられるでしょう。車の在庫や生産管理・物流を変えれば、消費者に最短納期で新車が届きます。金融分野なら、銀行間の振込みも24時間365日いつでも可能になります。

テクノロジーの進化が 100倍の変革を生む

―業務系IT の社会的インパクトは大きいんですね。

 はい。最近の技術革新のスピードはいっそう加速しています。従来より100倍速くサービスを提供できるとか、100倍多いデータを一瞬で処理できるとか。100倍単位で進化すると、もう元には戻れない。そんなしびれるような仕事に携わるチャンスが、いま目の前にあるんです。
 最先端の業務系ITこそ、日本が世界と戦えるフィールドです。

―どんなエンジニアならそのチャンスをつかめるのでしょうか。

 まずは技術面で、しっかりとした基礎があること。そのうえで、技術の価値をビジネスの成果として語れることが重要です。「売上や利益を伸ばす」ことに貢献するのですから。そのためにも、最先端のビジネス現場、つまり顧客により近い立場で仕事をするべきです。

どんどん外に飛び出して おもしろい人と知りあえ

―しびれる仕事をしたい尖ったエンジニアへのメッセージをお願いします。

 どんどん外に出てください。たとえば休日に技術セミナーやカンファレンスへ参加するとか。そしてそこに集まるおもしろい人たちと積極的に交流する。素晴らしい仕事はイケてる人たちの周りに集まります。人との接点を大事にすれば、必ずどこかでチャンスに出会えます。

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Shigeru Urushibara(しげる うるしばら)プロフィール

1987年に東京大学工学部を卒業し沖電気工業株式会社に入社。同社在籍中の1989年より2年間、スタンフォード大学コンピュータシステム研究所客員研究員。帰国後は大規模基幹系システムを多数手がける。2000年7月、戦略的ITに特化したウルシステムズ株式会社を設立、代表取締役社長に就任。2006年2月、大阪証券取引所(現:東京証券取引所)JASDAQ スタンダードに上場。2011年10月よりULSグループ株式会社の代表取締役社長を兼任。製造・通信・金融・公共・交通・情報サービス業を中心に、戦略的ITコンサルティング事業およびクラウドサービス事業を展開している。

企業情報

設立 2000年7月25日
資本金 1億円(2014年3月31日現在)
売上高 39億4,153万円(2014年3月期:単体)
従業員数 240名(2014年3月31日現在:連結)
事業内容 戦略的ITコンサルティング事業、クラウドサービス事業
URL http://www.ulsystems.co.jp/

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