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INTERVIEWインタビュー
SV Frontier CEO 鈴木 陽三

シリコンバレーで人気スタートアップに投資する秘訣

動画広告の市場が新しいゴールドラッシュになる

SV Frontier CEO 鈴木 陽三

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シリコンバレーでは、スタートアップと同様に、投資家間の競争も熾烈である。有望なスタートアップの場合、すぐに投資枠が埋まってしまうため、起業家が投資家を選ぶ立場になる。そんななか、独自の手法で人気のスタートアップに投資を成功させているのがSV Frontierだ。 今回はCEOの鈴木氏に、独自の投資手法、注目の投資分野などについて聞いた。

※下記はベンチャー通信Vol.62(2016年1月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

ファンドの出資者は全員が日本の起業家

―事業内容を教えてください。

「シリコンバレーのスタートアップに戦略投資をしてビジネスを創りたい」と考えている企業向けのVCファンドを運営しています。具体的には、スタートアップのスクリーニングから投資候補企業についての情報提供、投資実務、投資後のビジネス開発などを手がけています。「みんなの駐在員」あるいは「駐在員の機能補強」といった役割を担っています。

 ファンド出資者全員が、日本の起業家で現役の経営者というエッジがきいた構成になっています。事業の肌触り感をもたないVCの知ったかぶりは危険ですから、投資案件ごとにその業界に精通した出資者2名と私の3名で投資を判断します。エンジェル投資のようなスピード感と、提携とビジネス開発が即時に成立しやすいことが特徴です。

―どんな投資基準をもうけていますか。

 気がつけば自分なりの投資チェックリストができていました。早期に売上が立つこと。共同投資家の顔ぶれが一流で、かつ同じ条件で投資できること。操作が直感的でユーザーのITリテラシーをあまり求めないこと。また、ニーズがつねに変化する時代ですから、エンジニア主導でプロダクトがどんどん改善されていくことも評価します。

 マクロな視点では、成長市場であることが必須で、「ゴールドラッシュでは、ツルハシを売れ」という観点を大事にしています。つまり、成長市場にツールやサービスを提供し始めたBtoBtoCの会社を狙うのです。たとえば、モバイルアプリは成長市場ですが、私はヒットビジネスを追いません。代わりに、アプリ事業者に自動QAテストツールを提供する会社や、アプリのプロモーションやマネタイズを支援する会社に投資します。前者では投資して数ヵ月でGoogleに買収された成功例も実現できました。

―人気のスタートアップは、投資家間の競争も激しいと思います。どうやって投資を成功させているのですか。

 優秀なスタートアップは投資家を選ぶ立場にあります。ですから、私の場合は、将来日本向けのビジネス開発ニーズが出る時には、私が自ら動いて支援することを約束します。日本進出のための具体的なTo Doリストをつくって、投資後のアクションを明確に示すのです。たとえば、日本市場向けのローカライズ、プレマーケティング、営業、人材採用、日本オフィス開設などの支援です。

 過去には私自身が投資先の名刺で日本初の受注を取って証明してから、カントリーマネージャーを募集・面接・採用しました。後はすべて任せて、次の投資先の集中支援に移ります。米国のCEOや共同投資家が感激して、とっておきの優良案件に誘ってくれる秘訣は、本気で事業支援して結果で証明し続けること。「海外組のスポーツ選手」みたいなものです。

米国動画広告に特化したファンドを設立

―注目している投資対象分野を教えてください。

 動画広告です。テレビと雑誌から、Webとモバイルに、激流のごとく広告予算がシフトしていて、その受け皿になるベンチャーに投資する「米国動画広告ファンド」を立ち上げて投資家を募集しています。来年以降は「フィンテック」もやります。厳選案件の投資可能枠は小さく、出資者と投資先を深く支援するには、ファンドは小さくていい。スピードとタイミングがすべてです。

 アメリカのテレビコマーシャル市場は8兆円といわれています。ネットの動画広告はまだ8000億円。それが2020年ごろには同じぐらいになり、その後は逆転するという過激な市場観測も出ています。動画広告の代表格は、YouTubeコンテンツ前に5~10秒流れるプレロール広告で、再生回数は増えるのですが、邪魔でシェアされず、動画広告の長尺化トレンドにも合いません(AdWeekのベスト動画広告10選の平均尺は、2013年が42秒、2014年は2分)。

 ここからなにを読み取るか。動画広告自体のコンテンツ化と、YouTube以外の動画広告枠の価値増大です。動画広告の市場は確実にゴールドラッシュになっています。動画をキーワードにして、いろいろなところにビジネスチャンスが出てくるはずです。すでに業界急成長の恩恵を受ける5社に投資しておきました。

―どんな企業が伸びていくのでしょう。

 動画広告の露出を高めるサービスにどんどんお金が集まるでしょう。たとえば、動画広告の配信プラットフォームを行う投資先は2社とも、年間で数十倍のペースで売上が成長しています。

 また、低予算で動画広告を制作できるサービスも人気になります。最近、動画広告をわずか数千円で制作できるテンプレートを1,000以上持つ「Shakr(シェーカー)」に、LINEの株主であるNHNや500 Startupsと共同投資しました。CEOと一緒にヤフージャパンに事業提携を提案して、「ヤフービデオクリエイター」というサービスに昇華したビジネス開発の実績を作ることができました。このように時代のトレンドをつかんで、ホットな領域に投資して、実際のビジネス開発で証明し続けて、評判を形成していくことが大事なのです。

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鈴木 陽三(すずき ようぞう)プロフィール

東京都生まれ。1994年に早稲田大学商学部卒業後、三菱商事株式会社に入社。2003年にイェール大学経営大学院にてMBA取得。2005年に米国・ボストンの投資会社に入社。2009年に西海岸へ。株式会社ディー・エヌ・エーの米国拠点にて事業開発などに携わる。2013年に独立してSV Frontierを設立。シリコンバレーを中心に20社に投資。

企業情報

設立 2013年10月
事業内容 戦略投資家向けVCファンドの運営
URL http://svfrontier.com/

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