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INTERVIEWインタビュー
万単位のユーザーがいるシステムを、最前線で動かすエンジニアになろう
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仮想化技術の進歩などにより、国内ITインフラ市場は2022年から年間平均8.4%の急成長を遂げ、2027年には7兆6,643億円に達すると予測されている(2023年8月、IDCJapan株式会社『国内ITインフラ市場の2022~2027年の売上額予測』)。ますます拡大が見込まれるこの市場で、インフラ関連のプロジェクトのエキスパートを輩出し、存在感を増しているITベンチャーがOZsoftだ。今回は、同社のベテランエンジニアのMaeda氏を取材。未経験者も含めた若手メンバーの育成も担当している同氏に、インフラエンジニアとして活躍するための要諦を聞いた。

大手商社グループのインフラを短期集中で移設

―まずは、MaedaさんがOZsoftに入社してから一番、エンジニアとして手応えを感じたプロジェクトを紹介してください。

 では、大手商社グループの案件のことをお話ししましょう。データセンターの統廃合に伴い、廃止するデータセンターから新しいデータセンターへ、グループ各社のネットワーク機器やサーバを移設するという大規模な案件です。まずは移転元と移転先で環境が異なることを考慮したネットワーク設計を行い、機器移設の当日は必要に応じた設定変更を行って、さらに移設後は動作確認を行いました。旧データセンターが廃止されるまでの限られた期間で、ほぼ毎週末ごとに作業していましたね。

 プロジェクト担当は、私と常駐先の若手プロパーの2人だけ。その若手の指導・教育にも取り組みつつ、進めていきました。若手のスキルと、プロジェクトで求められるクオリティの間には大きな開きがあるため、その狭間を埋めるのも私の仕事でした。

 グループ1社ごとのボリュームは少ないものの、同時並行で数社について、既存の環境と移設先の環境を把握し、その構成を踏まえた作業手順を作成する必要がありました。これを、3ヵ月ほどの間、断続的に、多い時は週に3社ほどのペースで実施。「毎週、読み切り漫画を描くようなものだ」と、当時の自分の仕事を他人に説明していました(笑)。

黎明期のPC機器に触れていた子ども時代

―技術力だけではなく、お客さまとのコミュニケーションスキルや、プロジェクトメンバーへのマネジメント力を発揮したわけですね。そうした大規模な案件に携われるようになるまでに、Maedaさんはどのようなキャリアを積んできたのでしょうか。

 そもそもエンジニアになろうと思ったのは、父親がIT業界で働いていて、その背中を見て育ったから。子どもの頃から父親の仕事の話を聞いて、業界には親近感を持っていました。当時は、PCの記録メディアにカセットテープを使っていた時代。テープを再生すると「ピー」「ガー」という音が流れて、その音でPCにデータを読み込ませていたのです。Windows普及後のPCしか知らない世代には、まったく想像がつかないかもしれませんね(笑)。

 そういえば、父が仕事で扱っていた8インチ(!)のフロッピーディスクも家にありました。私の大学時代、研究室で使われていたのはPC-98やMAC、Windows3.1など。その頃は記録メディアも5インチあるいは3.5インチのフロッピーディスクが現役でした。技術進歩による記録メディアの変遷を、子どもの頃から社会人になるまでの間にリアルタイムに体験していたわけで、恵まれていたと思います。

 そうした子ども時代を過ごしたので、大学は理系を選択。自動車メーカーへ就職したくて、機械工学を専攻しました。でも、私はロスジェネ世代。卒業時には就職氷河期でした。そのため、志望を変えざるを得ず、建設設備関連の会社に就職。しかし「業界の水が自分に合わない」と痛感したことと、就職活動後に大学の図書館で読んだ本でインターネットの将来性、ITの可能性に気づかされていたことから、大手IT企業に転職したのです。ここから、ITエンジニアとしてのキャリアがスタートします。そのIT企業では、ヘルプデスクからはじめ、インフラ系の運用保守、顧客企業のPC購入の選定業務などを経験しました。

 その後、「クライアント系や運用ではなく、本来の自分の希望であるネットワーク系のエンジニアになりたい」と考えて、インフラ周りを得意とするIT企業に転職。そこから、OZsoftに転職しました。

―OZsoftに入社した決め手はなんでしょう。

教育体制を充実させて、未経験者をエンジニアとして育成する仕組みを整えようとしていた、社長のHashimotoさんの経営方針に共感したことです。それまで、会社の人材育成の仕組みや考え方に不満を感じることが多かったので、「育成の仕組みづくりにかかわれる」ことに魅力を感じました。それに、私自身の強みであるインフラ系に力を入れた事業展開をしていたこともありましたね。

若手メンバーの育成の力になりたい

―入社後、若手の育成にはどのようにかかわったのですか。

 OZsoftの新人研修の仕組みを再整備しました。新卒であれば内定段階、未経験での中途入社者であれば入社後、最初の現場に出る前に、CCNAの資格を取得するための研修を受講してもらいます。私が入社する前からあった制度なのですが、ベテランエンジニアが手取り足取り教えるものだったので、属人化の度合いが大きく、非常に効率が悪いと感じていました。

 そこで、研修を修了した人材なら誰でも講師になれるよう、カリキュラムを整備し、運営のマニュアル化を進めました。また、ちょうどコロナ禍で対面での研修が難しくなったこともあり、オンライン形式での研修を導入。こうした内容を組み合わせることで、IT未経験者であっても、最短で6ヵ月という短い期間で必要な知識を身につけられるようにしたのです。

―Maedaさんの今後のキャリア目標を教えてください。

 私個人としては、さらに仕事の質を高めて、若手エンジニアの手本になりたい。それと並行して、エンジニアの育成に、より力を入れていくことも目標です。というのも、私自身のキャリアを振り返って「ずいぶん、遠回りをした」と感じているから。IT業界は新興の産業なので、教育体制が整っていない企業も多い。若手に成長意欲があっても、周囲に教えてくれる人が少なく、その時々の業務で触れられる技術にも偏りがあるなど、試行錯誤を重ねざるを得なかった。それがスキルアップにつながった面もありますが、不要な経験も多かったのです(笑)。だからこそOZsoftでは、成長意欲のある若手が存分に成長できるような仕組みを整えていきたいと考えています。

―最後に、若手エンジニアへのメッセージをお願いします。

 実は、私が実際に目にしたことのある一番古い記録メディアは、カセットテープではありません。建設業に携わっていた時代に、古びた設備で目にした、監視システムで使われていたもの。それは「紙テープ」です!子どもの頃にウルトラマンの再放送でしか見たことがなかったものが、よもや大人になってから、現役のシステムとして目の前に現れようとは。とても度肝を抜かれたものです。その時ほど、時代の流れと技術の移り変わりを実感したことはありませんでしたね。

 この経験から言えるのは、「技術や工業製品というものは、過去があって現在があって、その先に未来があるものだ」ということです。若い人たちには、安易に「古いものだから」と視界の外に追いやることなく、また、「今、使われているものを一通り知っていれば十分だ」と思考停止することもなく、真摯に技術の過去と未来に思いを巡らせることのできる、視野の広さを持ってほしいと考えています。

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